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シンスプリントの病態とは?

シンスプリントは、コンクリートなどの固い地面でのランニングや底屈筋の過負荷によって誘発される下腿の違和感と定義されます。特にランニングを繰り返す症例に多く発生し、痛みの部位として脛骨内側縁遠位1/2~1/3の領域に運動時痛を訴えます。

疼痛の原因としては、下腿屈筋の筋膜の炎症、下腿骨膜の炎症、下腿屈筋の内圧上昇などが考えられます。

シンスプリントは原因の断定が難しく、1つの疼痛症候群として述べられていることが多いです。また、シンスプリントの程度の分類としてWalsh分類があります。

Stage1 スポーツ活動後のみ疼痛がある

Stage2 スポーツ活動中も疼痛があるが、パフォーマンスに影響がない

Stage3 スポーツ活動中も疼痛があり、パフォーマンスにも影響がある

Stage4 安静時にも慢性的に持続した疼痛がある

ランニング自体は歩行と比較し、下腿屈筋群に遠心性収縮が強く働くため、後脛骨筋や長趾屈筋、長母指屈筋に過負荷となりやすいです。

エコーによる下腿内側面での筋の滑走性や動きを確認すると、長母指屈筋と長趾屈筋は収縮時に前内側に移動することがわかっています。また、後脛骨筋も同様に収縮時は前内側に移動します。

外反足での歩行中の後脛骨筋の筋活動は健常者より高くなると文献から報告されています。シンスプリントでも同様に足部の外反が生じ、内側縦アーチが低下する場合が多いです。後脛骨筋の足関節内返しの抵抗運動を行うことで筋力増加、内側縦アーチの改善が見込めます。