歩行観察からトレンデレンブルグやデュシャンヌ様歩行がみられる場合が多いです。
これらの要因は中殿筋の筋力低下と言われてますが、本当にそうでしょうか。
中殿筋がMMT3~4レベルに向上しても、実際歩行してみると、改善しない場合が臨床場面で観察されます。
中殿筋の出力以外に原因がありそうですね。
考えられる要因として、
①過去の歩容が運動学習されている。
これは術創部の疼痛や他の部位へのメカニカルストレスを避けるためと考えられます。
②股関節の関節可動域制限や足圧中心に問題がある。
これは股関節の内外転制限や足圧中心の内方化と外方化による荷重アライメントの変化が考えられます。
③股関節外転筋で外転筋力を発揮できていない。
これは大殿筋の筋発揮のタイミングや使い方が不十分である場合に歩容が改善しないことが考えられます。
これら要因に加えて、姿勢アライメント特に骨盤の前後傾、中間位での股関節外転位の外転モーメントが変化するため、患者一人一人に合わせたトレーニングが必要となります。
骨盤中間位では外転モーメントで中殿筋が最も働き46%、骨盤前傾20°では大殿筋が43%と最も働いています。
上記のように、姿勢による筋肉の効率性が変化するため、狙いたい外転筋が使えるようにアライメント修正や環境設定をしていく必要があります。
姿勢アライメントの重要性を改めて実感します。
ランドマークの確認や側弯の有無、股関節の柔軟性確認、足圧中心の左右差を見極めていけると臨床で役立つと思います。