足関節底屈筋について
足関節底屈筋は、歩行や走行において身体重心の前方への移動を制御し、上方への移動を促すうえで重要な働きとなります。
歩行の立脚中期から立脚終期にかけて生じるankle rockerとforefoot rockerにおいて、下腿の前傾が生じます。
重力によって下腿が前方に倒れていくわけであるが、この下腿の前傾を制御するのが下腿三頭筋です。
踵挙上時の筋活動
踵を最大に挙上した際の筋活動を100%としたとき、腓腹筋は78%と高い筋活動を要求されるが、ヒラメ筋はさらに高い86%とより筋活動が必要となります。
よって下腿三頭筋のなかでもヒラメ筋の筋活動が重要となります。
ヒラメ筋の出力低下
ヒラメ筋の遠心性収縮不足は、下腿前傾の安定した制御が困難となるため、大腿四頭筋やハムストリングスの活動が高くなります。
これにより変形性膝関節症で特徴的な大腿四頭筋やハムストリングス、腓腹筋の同時収縮が増強することも考えられます。
このようにヒラメ筋の筋力低下は、足関節のみではなく、膝関節や股関節の筋活動にも大きく影響することが示唆されます。