セラピストが介入中の症例で、低血糖症状が出現した際の対応がわからず、急変となる場合が少なくありません。
事前にどう行動すればよいか、症状がどの程度のレベルなのか?を確認できることが重要となります。
まず低血糖は70㎎/dL以下を指します。
症例により自覚症状がない場合がありますが、他覚所見にて発覚する場合も多いです。
低血糖50㎎/dL以下となると中枢神経症状である意識レベルの低下が出現し、低血糖30㎎/dL以下になると意識消失となることもあります。
以下に低血糖症状を表記します。
70㎎/dL↓:空腹感、あくび、悪心
50㎎/dL↓:無気力、倦怠感
40㎎/dL↓:発汗、冷汗、冷感、動悸、頻脈、振戦、顔面蒼白、紅潮、意識レベル低下
30㎎/dL↓:意識消失、異常行動
20㎎/dL↓:痙攣、昏睡
そのため、意識レべルの確認は必ず行い、また上記の症状がないかを評価していく必要があります。
動悸や冷や汗がなぜ生じるかですが、低血糖が起きるとカテコールアミンが過剰分泌されるため、代償的に副作用としての症状が出てしまいます。
実際に低血糖症状が出現した場合の対応ですが、ブドウ糖投与が最優先となります。
意識状態がある、ないでの対応も変わってきます。経口摂取が可能な場合は、ブドウ糖10gを摂取してもらいます。また、経口摂取後15分経過しても低血糖が改善しない場合は、再度ブドウ糖を摂取してもらいます。
そして、血糖値の検査を行います。その後、血糖値に合わせてグルコースの静脈注射や糖質の経口摂取を行いますが、低血糖が遷延する場合は持続点滴が必要となります。
事前に既往に糖尿病を持つ症例や服薬による低血糖が予測される場合は、ブドウ糖の保持をしていただくことが推奨されます。また、症例の身体機能の変化や日常の状態を把握しておくことで、低血糖症状に気づける場合があります。低血糖状態が持続してしまうと、脳障害が残る場合が危惧されるため、一刻も早い対応が求められます。