胸椎を最大回旋させたあと、肩甲骨を前方突出させて、上にある肩が下の肩の上に適切に配列されているかを確認する方法が有用です。
寝返り動作における脊柱の回旋運動は、胸椎部で生じます。胸椎部での回旋可動性の評価を行い、制限が認められる場合には、その原因を特定するための評価を行う必要があります。
しかし寝返り動作時に胸椎に求められる回旋可動域の範囲を定量化することは難しいです。
そこで、上記に述べたような肩甲帯の前方突出と胸椎の屈曲と回旋の複合運動によって、寝返りの際に上側の方が下側の肩の上に配列できる程度の可動性が必要となります。
また、胸椎の屈曲回旋制限は、胸椎椎間関節の可動性低下と肋骨の可動性低下によって生じるため、胸椎椎間関節と肋骨の可動性を評価する必要があります。正常な運動学の動きを頭に入れた上で評価していくことが望まれます。