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僧帽筋の作用とは?

解剖学的特徴

僧帽筋上部線維(upper fiber of trapezius muscle)について

【起始】後頭骨上項線外後頭隆起、項靭帯

【停止】鎖骨外側1/3後縁

【支配神経】副神経・頸神経(C2~C4)

僧帽筋上部線維の特徴

僧帽筋上部線維は鎖骨肩峰端の挙上とともに、肩甲帯を挙上し、同時に肩甲骨の上方回旋に作用します。

上肢挙上に伴う肩甲骨の上方回旋は、僧帽筋の3つの繊維群と前鋸筋の協同運動により起こります。

臨床からの観察

副神経麻痺が生じると、僧帽筋による肩甲骨の安定化が失われ、翼状肩甲骨を呈します。

長胸神経麻痺に伴う前鋸筋不全においても、同様に翼状肩甲が観察されるため、副神経or長胸神経麻痺の鑑別が重要となります。

翼状肩甲が観察される動作として、肩関節外転時と屈曲時が挙げられる。

●副神経麻痺における翼状肩甲➡肩関節外転時に著明

●長胸神経麻痺における翼状肩甲➡肩関節屈曲時に著明