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半膜様筋と腓腹筋内側頭による膝関節痛とは?

膝関節痛みのなかで、膝関節内側痛を誘発するものとして、半膜様筋と腓腹筋の筋スパズムが挙げられます。

半膜様筋はハムストリングスを構成する筋のひとつであり、半腱様筋に覆われた扁平な筋で深層に位置します。

腓腹筋の停止腱として、脛骨の後内側の裂隙直下、後斜靭帯、斜膝窩靭帯、膝窩筋の筋膜に停止します。

実際に痛みが生じてしまう原因として、膝関節を構成する内側側副靭帯、後斜靭帯、斜膝窩靭帯の損傷があるなかで、膝を安定性させようと筋が過剰収縮すると、上記の損傷部にストレスが加わることで痛みが誘発されます。

また、半膜様筋と腓腹筋の過剰収縮や筋の短縮があると、筋の滑走性が低下しスパズムが出現します。

半膜様筋は深層に位置するため、膝関節後内側の関節包の動きを阻害してしまいます。

すると、完全な膝伸展位がとれなくなり、屈曲拘縮を引き起こす要因のひとつとなります。筋の滑走性を確認しながら、正常な動きができているかを触診で確認することが重要となります。

立位で膝関節が外反している状態、いわゆる股関節内旋と内転が強い症例では、膝内側部へ伸張ストレスが加わるため、上記のような症状を引き起こす可能性が高いです。

改善を図るためには、患側の股関節外転筋と外旋筋の出力向上を図り、筋の強調運動を促していく必要があります。加えて、膝の不安定性を確認しておくこと、不安定性を増悪させる膝屈曲拘縮の有無を評価しておくことも重要となります。