毎日更新 臨床経験からの考察
~疑問を分からないままにしない~
Uncategorized

変形性頸椎症のレントゲン画像評価とは?

セラピストが症例の頸椎の状態を確認するためには、視診やランドマークの触診から左右差を診る方法があると思います。

頚椎症性脊髄症や変形性頸椎症などの症例では必ずレントゲン画像を撮影されると思いますが、セラピストは画像所見から頸椎のどこを評価すればよいのでしょうか?

変形性脊椎症は実際に椎間板腔の狭小化や椎体上下縁の骨棘形成、椎間関節の肥厚などが存在しますが、無症状である場合も多いです。

加齢による椎間板の退行変性を基盤として椎間関節や椎体・靭帯などに影響を及ぼします。変形が高度になると疼痛や可動域制限が生じ、黄色靭帯の肥厚、脊柱管や椎間孔の狭窄化により脊髄や神経根が圧迫され神経症状を呈します。

レントゲン画像から確認できるものとして、椎間板腔の狭小化、椎体上下縁やルシュカ関節での骨棘形成、椎間関節の肥厚が挙げられます。

変形性頚椎症の保存療法は、安静時は頸椎カラー、鎮痛を目的とした温熱療法や牽引などの物理療法、関節モビライゼーションやストレッチなどが選択されます。その他に、服薬による疼痛緩和やブロック注射なども治療法として存在します。

セラピストが治療法を選択する際の情報収集として画像所見を確認したうえで、神経根症状などを評価することが重要となります。

保存療法と運動療法を併用した中で、重要となるのは疼痛を増悪させないことに尽きると思います。日常生活動作の中で、疼痛が出現する動作を避ける、負担がかからないような姿勢を指導することがセラピストに求められます。

触診や視診は必ず行うことを前提として、レントゲン画像から実際の評価で整合性がとれているかを確認することが重要だと感じます。

また、コントラストの明暗から骨の状態を確認すると、脆弱性があるかなども他の椎体と比較することもできるため、ぜひレントゲン画像を見る際は確認してみてください。

ただ、画像所見と臨床所見に解離が生じることも念頭において確認しましょう。