大腿四頭筋について
大腿四頭筋の中でも、膝蓋骨の安定化に重要なものとして、内側広筋と外側広筋の協調性が挙げられます。
しかし、これらの筋力を個別に評価することは困難であるため、一般的にMMT評価で測定を行います。
実際のMMT評価について
大腿四頭筋の出力については、OKC(open kinetic chain)とCKC(closed kinetic chain)での違いや、屈曲角度による出力の差が研究、報告されています。
膝伸展筋力の違いとして、CKCでは膝関節屈曲45°、60°で最大出力となり、OKCでは膝関節屈曲60°、75°で最大出力となると報告されています。
つまり、膝関節伸展位の筋力評価のみでは実際の動作時の筋力を反映できていない可能性があるため、膝関節の屈曲域の筋力評価を合わせて行っていく必要があります。
大腿四頭筋の筋力強化について
大腿四頭筋の筋力低下、特に内側広筋の筋力低下が著明な場合、屈曲位から強い負荷をかけて伸展運動を行うと、膝蓋大腿関節へのストレスが増大し疼痛を誘発してしまう可能性があります。
そこで、内側広筋に対する筋力強化として、パテラセッティングが有効とされています。
内側広筋の選択的な収縮方法については議論が進んでいるが、一定の見解は得られていない状態です。患者様一人ひとりに合わせたトレーニングを選択していく必要があり、股関節肢位の変化による内側広筋の出力の差を見定めていく必要があります。