膝関節を構成する関節として、大腿脛骨関節と膝蓋大腿関節の2種類の関節が存在します。
これらが強調的に働くことで、膝関節のスムーズな動きと安定性を保つことが可能となります。
臨床での膝関節の問題点となるものとして、大きく2つに分けられます。
それは、膝屈曲~膝伸展での可動域制限と荷重時の不安定性が問題点で挙げられます。
これらの問題を引き起こすものとして、大腿脛骨関節と膝蓋大腿関節の機能が関係してきます。それぞれの関節の役割と機能を考えていきましょう。
・大腿脛骨関節:
膝関節伸展位で側方安定性が高まります。反対に膝屈曲位となると内側・外側側副靭帯の緊張が緩むため、膝関節自体が不安定な状態となります。
不安定な状態で膝関節を支持しようとすると、大腿骨と脛骨との間に骨棘が発生することがあり、膝関節の可動域制限と痛みを誘発してしまう場合があります。
・膝蓋大腿関節:
大腿脛骨関節とは対照に、膝関節屈曲位で安定性が高まります。しかし、膝関節屈曲位で荷重下となると、大腿四頭筋の筋出力が必要不可欠となります。
大腿四頭筋の滑走性低下や筋出力低下がある場合、膝蓋大腿関節の動きを阻害し、膝蓋骨周囲に痛みを生じることがあります。
これらの関節のほかに、大腿骨の回旋と下腿の回旋を考慮しつつ、膝屈伸時のスクリューホームムーブメントが生じているか確認する必要があります。
膝関節を構成する要素として様々な機構がありますが、それぞれの働きを覚えておくこと、そして疼痛誘発動作を行い、実際に痛みを起こしている原因を断定できるような選択肢を増やしていくことがセラピストに求められると思います。