正常な寝返り動作では、頭部の屈曲回旋が先行し、回転運動が肩甲帯、上部~下部体幹、下肢へ運動波及していきます。
このように、頭部から先行する動作パターンが寝返りにおいて重要なポイントとなります。
つまり、屈曲回旋パターンを用いた寝返りができない場合、他のパターンを使用して動作が遂行できていても異常パターンと捉えることができます。
なぜ、屈曲回旋パターンが必要なのか?ということですが、基本となる寝返りパターンができていないと、起き上がりから歩行までのパターンに異常運動が起こってしまう場合が多いからと考えられています。
正常な寝返り動作では、股関節の両側性活動によって回転運動の原動力を供給し、体幹の屈曲回旋運動をコントロールして上部体幹、下部体幹を回転させます。
よって上肢や下肢を過剰にもちいて、代償するような運動は極力避けなければいけません。
セラピストは、異常な寝返りパターンでの動作遂行をしている場合は、動作相別での動作阻害因子を探していく評価が必須となります。また、身体機能として十分に保たれていても、運動学習が苦手、反復によるパターン変化が起きるのかを必ず確認する必要があります。