解剖学的特徴
起始:下腿骨間膜後面の上半、脛骨・腓骨の骨間膜側
停止:舟状骨粗面と内側楔状骨、線維の一部は足底へと広がり、中間、外側楔状骨、立方骨底面にも広がる
支配神経:脛骨神経(L5~S2)
筋の作用と特徴
・後脛骨筋は足関節を底屈、足部を回外(内反)・内転します。
・足部を固定した場合、下腿を後傾かつ内方へ引きます。
・後脛骨筋は足部アーチを保持する最も重要な筋肉です。
臨床からの考察
回内不安定性がある足部では、後脛骨筋腱腱鞘炎やシンスプリントが発症しやすいとされています。ランニング障害として代表的なシンスプリントでは、後脛骨筋の強い圧痛とともに著明な筋緊張を引き起こします。
足部が固定されている状態では、下腿を後傾かつ内方は引っ張ります。また、舟状骨、内側楔状骨を上方へと引き上げ、内側縦アーチを保持します。