棘下筋テストは、症例に肩関節下垂位の状態で外旋させ、これに抵抗を加えることで、その出力の程度の違いや疼痛が誘発されるか否かを評価する方法です。
棘下筋は外旋筋であり、外旋運動に抵抗を与えてその出力を評価しますが、肩下垂位で評価する意味があるのかは不明確な状態です。
解剖学的には、肩関節を外転とすると棘下筋横走線維を中心に棘下筋が緩むため、その際の外旋筋力は、小円筋を強く反映した筋力ということになります。
下垂位では小円筋の起始と停止が近づくため、小円筋の働きは低下し横走線維の活動が高まることになります。斜走線維は外転角度の影響をあまり受けないため、下垂位で行う外旋運動が棘下筋の機能を反映していると考察できます。