疼痛が発生する解剖学的要因
中・下位頸椎の椎間関節は、水平面に対して約45°傾斜しています。そのため、頸椎の屈曲と伸展運動は、上位頸椎が下位頸椎の椎間関節面を前方に滑る(屈曲)もしくは後方に滑る(伸展)どちらかの動きとなります。
側屈時には、側屈側へ椎間関節面をスライドさせるため、必ず回旋動作も伴っています。
これらの運動時に椎間関節が過度の圧縮ストレスを受けると、椎間関節が損傷したり、疼痛を生じたりします。
頸部における疼痛誘発テスト
Spurling test:頸椎の伸展、回旋を組み合わせることで、椎間孔が狭窄し神経根症状が誘発されます。
検査肢位:座位
被検者の頭頂部に手を置き、頸椎を伸展・患側へ回旋させ、垂直に圧迫させます。
この検査は、神経症状を誘発する検査であるため、頸部痛のみの場合は陰性と判断されます。しかし、同時に椎間関節にも圧縮ストレスを加えているため、頸部痛しか出現しない場合には椎間関節障害が疑われます。
また伸展のみで症状が出現する場合は脊柱管狭窄を疑います。
