理想的なアライメントと言われて、頭部から足部までのランドマークや姿勢が想像できるでしょうか。
本日は理想的な立位姿勢アライメントについて前額面、矢状面、水平面から再確認をしていきましょう。
安静立位姿勢における理想的なアライメントは、①前額面(身体の前面or背面)②矢状面(身体の側面)③水平面から見て、それぞれ頭部・体幹・骨盤・四肢がきれいに配列している状態を言います。
①前額面から見た理想的なアライメント:背面から見て、外後頭隆起、椎骨棘突起、臀裂、両膝関節内側間の中心、両内果間の中心を通ります。
②矢状面の理想的なアライメント:耳垂、肩峰、大転子、膝関節前部(膝蓋骨後面)、外果の2~3cm前部を通ります。
③水平面の理想的なアライメント:肩峰、肩甲骨下角、上後腸骨棘、大転子の高さに左右差がない状態です。
また、脊柱S字カーブの正常角度を確認する必要があります。正常な頸椎前弯は約30~35°、胸椎後弯は約40°、腰椎前弯は約45°、仙骨底は第5腰椎に対して約40°前下方に傾斜しています。
臨床場面では上記のような正常アライメントを呈している患者様はほとんどいません。不良姿勢として、過前弯位(骨盤前傾に伴う腰椎前弯増大)、凹円背(sway back)、平背(flat back)、円背など様々な姿勢戦略をとっています。
実際の姿勢を評価するには、ランドマークの確認や筋緊張亢進などを視診、触診で判別していくことが重要となります。理想的なアライメントを目指していく上で、一人ひとりの姿勢は必ず確認するように自身も心がけています。
見た目だけでは腰椎前弯の程度がわからない場合が多いです。また、レントゲンやCT・MRIで脊柱の前後弯を画像から判断することも可能です。体表から脊柱を触診しても実際触れている場所は棘突起であるため、椎体自体の前弯や後弯が触診での予想と大分違うことが経験上あります。
視診、触診だけでなく、画像からの情報も理想的なアライメント姿勢を獲得していくためには必要なのでは?と個人的に考えています。