疾患概念
糖尿病と糖代謝異常は、インスリン作用不足に基づく慢性高血糖状態を呈する代謝疾患群です。
インスリン作用の不足により、主として糖質代謝異常が生じ、同時に脂質やタンパク質代謝が障害されます。
病態には、インスリン分泌不全とインスリン作用障害であるインスリン抵抗性が存在します。
成員は多様であり遺伝因子と環境因子が関与します。
診断の要点
・慢性高血糖の存在
・糖尿病特有の症状がある
①口渇、多飲、多尿
②比較的短期間での体重減少など
・糖尿病網膜症の存在
・診断基準を満たす持続性高血糖が確認された場合、糖尿病特有の症状や糖尿病網膜症がなくても糖尿病と診断する
糖尿病の診断手順
糖尿病が疑われる場合には、血糖値の検査と同時にHbA1cを測定することを原則としています。1回の採決で、血糖値とHbA1c値がともに糖尿病型の場合、糖尿病と診断できます。
また、別の日に行った検査で、糖尿病型が再確認できれば糖尿病と診断できます。しかし、初回検査と再検査の少なくとも一方で、必ず血糖値の基準を満たしていることが必要となり、HbA1cのみの反復検査で診断はできません。