肩の夜間痛はなぜ生じるのか?
夜間痛の原因について
夜間痛の原因はいまだ明らかになっていないことが多いが、予測として大きく2つが関係していると考えられている。
1)肩峰下圧の上昇
2)上腕骨内圧の上昇
肩峰下圧の上昇について
まず、肩峰下圧が上昇することで夜間痛が生じると考えられている。
夜間痛症例において、烏口肩峰靭帯の直下における圧が優位に高かったことが報告されており、肩峰下圧の上昇がや貫通と関係していると考えられている。
そこで肩峰下圧が上昇する要因はどこにあるのかを考えていく必要がある。
肩峰下圧が上昇する要因は、
・第2肩関節において、肩峰下骨棘の増殖、烏口肩峰靭帯の肥厚や腱板の石灰化などによる肩峰骨頭間距離の短縮
・肩峰下滑液包(SAB)の急性炎症
・腱板炎からの浮腫による内容量の増加
・腱板筋群の攣縮やSABの癒着
・関節包の肥厚、線維化による関節包内容積の減少
上記の要因などが予測される。
上腕骨内圧の上昇について
夜間通について、様々な文献が存在するが、
上腕骨の骨頭内圧を測定し、夜間痛を有する症例では骨内圧が上昇していること、体位による内圧の変動と加圧による症状の再現実験から、骨内圧が痛みの原因であると報告されている文献が存在する。
では、上腕骨内圧がどうして上昇してしまうのか?
原因として、①骨内の血流 ②側臥位による影響が挙げられる。
①骨内の血流について
骨表面を走行する動脈、静脈は骨表面に多く存在する栄養孔で骨内と骨外を連絡している。
動脈と静脈を比較すると動脈には血管平滑筋が存在するため、外部からの圧迫に対して動脈が強い構造となっている。
何らかの外部からの圧迫により、静脈が閉塞しても動脈は閉塞しないことがある。
上記のような状態では骨内に血液を送ることができても、骨外に送り出すことができなくなる。
そのため、骨内がうっ血状態となり、骨内圧が上昇してしまうと考えられる。
②側臥位による影響
肩関節の夜間痛の病態として、関節部の血流低下による関節周囲の発痛物室濃度の上昇と、骨頭内圧の上昇によることが報告されている。
・就寝時に患側を下にした側臥位で、患側上肢が体幹と床面に挟まれ、3rdポジションでの内旋が強制される場合
・患側を上にした側臥位でも上肢が水平屈曲を強制された場合
上記の2つの場面では、棘下筋や小円筋は伸張され、夜間痛が発生すると考えられている。
夜間痛を予防、軽減するために
就寝時には患側を上にした側臥位で、水平屈曲を強制されないように大きめのクッションを抱きかかえるように指導することが有効であると考えられる。
まとめ
夜間痛が生じる原因は、腱板疎部、肩峰下滑液包や棘上筋といった肩関節上方支持組織の問題と、棘下筋や小円筋といった肩関節後下面の軟部組織の柔軟性低下という問題が関係していると推察される。