肩関節挙上時に、インピンジメントが生じ痛みや最終伸展域まで挙上することができない症例がよく観察されます。
全可動域にわたり、肩関節挙上するためには、突出した大結節が肩峰下をうまくすり抜ける必要がありますが、これは肩関節外旋と肩甲骨面上での外転によって可能となります。
実際に肩関節挙上させる際に、最初に内旋位や中間位で挙上を始めても、最終的には肩関節外旋位となっていると思います。
肩関節を内旋位や中間位で挙上すると可動域制限が起こりますが、これでは大結節が肩峰突起を圧迫してインピンジメントを起こす原因となります。肩関節が外旋し、大結節が烏口肩峰アーチをうまく通過すると肩峰への圧迫は避けられます。
上腕骨が外旋しても、純粋な前額面で方を最終域まで挙上すると、インピンジメントを生じる可能性があります。インピンジメントを予防するために、症例に肩甲骨面での挙上を行うように指導することが重要となります。
肩甲骨面での肩挙上は、上腕骨の大結節が肩峰の最も高い位置の下を通るため、肩の外旋に関係なくインピンジメントを防ぐことができます。
肩甲骨面での外転は、純粋な前額面での外転よりも自然な動きであり、正常な肩の動きを行うように適切に配置され、上腕骨頭は関節窩に対してうまく適合しています。