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肩甲上腕関節のバイオメカニクスとは?

肩甲上腕関節の安定化には、静的安定化機構と動的安定化機能が存在しています。

静的安定化には、関節唇や関節包などの形状が主に重要となりますが、動的安定化には腱板と上腕二頭筋長頭腱が中心的に関与します。

腱板には、肩関節運動の主動作筋としての働きとともに、上肢挙上時にフォースカップルを形成し、上腕骨頭に安定した支点を与える役割があります。

棘上筋は、三角筋と協同して肩関節の挙上運動に関与しますが、棘下筋と小円筋と肩甲下筋は、動作時の上腕骨頭上方化を抑制する重要な要素となっています。

上腕二頭筋長頭腱は、上腕骨頭の上方化を抑制する作用に加えて、前方と後方および下方に対する制動作用も有しており、肩関節運動に対する貢献度はとても高いです。

健常者における上記役割より、肩関節不安定性を有する場合において、貢献度が高いです。そのため、腱板機能不全では上腕二頭筋長頭炎を合併しやすいという解釈となります。