解剖学的特徴
肩甲挙筋(levator scapulae muscle)
【起始】第1~4頸椎横突起
【停止】肩甲骨上角の内側縁
【支配神経】肩甲背神経(C5)
肩甲挙筋の特徴
肩甲挙筋は肩甲骨挙上に作用し、菱形筋、小胸筋と協同して肩甲骨下方回旋に作用します。
肩甲骨が固定された状態で、両側の肩甲挙筋が作用した時は頸部の伸展、一側が作用したときには頸部の側屈と同側への回旋に作用します。
臨床からの観察
肩結合織炎において筋硬結が著明な筋に肩甲挙筋が挙げられます。また肩甲挙筋と同様に僧帽筋上部の筋硬結も引き起こしている場合が臨床場面でよく観察されます。
症例において、筋硬結の確認しておく必要があります。肩甲挙筋や僧帽筋の筋硬結が生じる要因として、胸椎の後弯角度が関与している場合が経験上多く観察されます。
肩甲挙筋の過剰な筋硬結は、肩甲骨を下方回旋、挙上位でロックしてしまうことで、二次的な肩甲上腕関節の不安定性や、腕神経叢症状を引き起こすことが多いです。