脊柱管狭窄症の定義については、ガイドライン上でも完全な合意は得られていません。
要約によると、腰椎部の脊柱管あるいは椎間孔(解剖学的には脊柱管に含まれていない)の狭小化により、神経組織の障害あるいは血流の障害が生じ、症状を呈すると考えられているが、現在のところ定義については完全な合意は得られていないのが事実です。
腰部脊柱管狭窄症はひとつの疾患ではなく種々の症候の組み合わせからなります。
Verbiestは、患者は歩行や立位において、馬尾障害、すなわち下肢における両側性の根性痛、感覚障害および筋力低下を示す。患者が臥位になるとそれらの症状は即座に消失し、安静時の神経学的所見には異常はない。一見するとそれらの愁訴は血管性の間欠跛行と誤解されうる、脊髄造影により硬膜外からの圧迫によりブロック像を示すと記載されています。
腰部脊柱管狭窄症では、症状として疼痛、しびれ、倦怠感など様々であり、また歩行や姿勢などの動作に伴い変化するという特徴を有します。複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患は症候群と呼ばれ、腰部脊柱管狭窄症は特有の症状を有する症候群です。