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脚長差と補高の関係性とは?

臨床場面で脚長差がある症例をよく経験すると思います。

脚長差には2種類存在します。

構造的脚長差機能的脚長差があるため、脚長差がどちらに分類されるかによって、インソール作成や姿勢修正などを行っていく必要があります。

足の長さが違うことによる身体機能への影響は様々ありますが、歩行効率の低下や股関節周囲筋のインバランスなどが挙げられます。

実際に脚長差の評価として、棘果長(SMD)と転子果長(TMD)を計測していきます。その中で、SMDとTMDの差を考えてどこに脚長差の原因があるのかを考える必要があります。

・SMD左右差あり、TMD左右差なし➡大転子~上前腸骨棘の間に問題あり

・SMD、TMD左右差なし➡問題なし

・SMD、TMDどちらにも左右差あり➡大転子~内果の間に問題あり

この3つのパターンが推測されます。また、評価時の脚長差は安静時、臥位で測定しているため、実際の歩行パターンと評価からの脚長差にズレが生じるのも確かです。

セラピストはROMやMMT、歩行観察を総合的に判断していく必要があります。

また、姿勢アライメントが重要となり、脊柱全体の側弯や回旋の有無、骨盤の挙上や下制、回旋の有無、骨盤帯の筋緊張の左右差など多方向からの評価が必ず必要です。下肢に注目すると股関節や膝関節の伸展制限や股関節の内転制限、足部の内反、外反による姿勢戦略の変化が挙げられます。

実際に立位姿勢からステップ姿勢を取ってもらう場面でセラピスト側が骨盤帯の保持を行い、骨盤帯のアライメントがどのように変化しているのかを動作の中で確認するのが有用だと個人的に考えています。経験による差はあると思いますが、症例に触れることが客観的な評価、信憑性のある評価に繋がっていきます。

症例一人ひとりの動作パターンを確認することが重要となります。