毎日更新 臨床経験からの考察
~疑問を分からないままにしない~
Uncategorized

腰椎の可動性とアライメント評価とは?

腰椎の可動性とアライメント評価するには皆さんどのように評価しているでしょうか?

私自身も側方からの視診と実際に患者様に腰椎前弯と後弯を繰り返し行ってもらうことが多いですが、実際に腰椎の動きを視診だけで評価はなかなか難しいです。やはり「触診」にて実際の動きを確認することが重要となります。

本来ならば、椎体自体の動きを触診にて確認できるならばより詳細な腰椎の可動性を確認できますが、セラピストが実際にわかるのは棘突起がどのように、どれくらい、どの方向に動くのかを確認できるだけです。

これだけでも、可動性の評価としては十分ではないですが、実際の動きを確認できる唯一の方法と言ってもいいかもしれません。

さて、実際の腰椎可動性とアライメント評価をどのようにしていくのかを考えていきます。

腰部の運動は椎間関節で起こり、その形状は平面関節です。平面関節は、骨頭と関節窩の関係がない形状であるため、関節運動はすべての方向に可能となりますが、可動性としては狭いと言えます。それも、上関節突起関節面の向きによって、運動方向と可動性が影響されるためです。

実際、腰椎も分節的な運動は小さいですが、強調した複合運動が起こることにって腰部自体の大きな運動を可能にしています。加えて、椎間板の柔軟性も腰椎の可動性に役立っています。

腰椎の運動範囲は屈曲・伸展運動で大きく、回旋運動はわずかですが、腰椎前弯角度の影響を受けるために、姿勢アライメントの評価も必要になってきます。それだけだと、腰部の評価自体は簡単に思うのですが、側屈が加わると反対側への回旋が起きるために、側屈の際の腰椎の動きも確認しなければいけません。

体幹屈曲の制限がある患者様は、固有背筋群の伸張性低下が問題となります。逆に、体幹伸展制限の制限がある患者様は、内側群である多裂筋の機能低下と体幹屈曲筋群の伸張性低下が問題に挙げられます。

臨床場面で上記のような筋の伸張性低下だけで、腰椎の動きの制限を断定はできませんが、判断材料のひとつにはなります。その他、既往や生活歴、仕事など様々な要因が重なって今の姿勢アライメントを作りあげられている為、細かな情報収集も欠かせません。

隣接する胸椎、股関節の可動性や、動きの順番、癖を見たうえで、正しい学習を行っていく必要があると個人的に思っています。効率よく姿勢修正や、腰椎の可動性を出すには、鏡による姿勢フィードバックが有用だと思います。ぜひ活用してみてください。