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腰痛に効果的なトレーニングとは?

腰痛の原因のひとつとして体幹筋のインバランスが認められることが臨床経験上多く観察されます。体幹前面と後面、インナーマッスルのバランス、協調性が崩れると一部の筋肉に負担が多くかかり、コンパートメント症候群に繋がると推察されます。

コンパートメント症候群によって筋内圧が慢性腰痛に関与していると考えられています。

特に体幹筋で姿勢制御や腰椎の安定性を保っている筋肉として、多裂筋が有名な筋肉の一つとして挙げられます。体幹のインナーユニットの一つである「多裂筋」のトレーニングを説明していきます。

頸部~腰部まで続く多裂筋は、胸腰筋膜を介して腹横筋と連結します。そのため、多裂筋が働くと同時に、体幹のインナーマッスルである横隔膜や腹横筋、骨盤底筋群が同時に収縮します。

よく耳にするインナーマッスルという筋肉は、横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群を指し、ローカル筋と呼ばれます。このローカル筋は体幹の深層に位置するため、腹腔内圧を高める役割や椎体を固定するために重要な役割を果たします。

それに対して、グローバル筋と呼ばれる脊柱起立筋や腹直筋はアウター筋であり、体幹の伸展や屈曲、回旋などに大きく作用します。ローカル筋の筋発揮から椎体が安定した状態でアウターマッスルが働くことが理想とされています。

実際に多裂筋のトレーニングとして有用なものを紹介します。

まず四つ這いで一側上肢を挙上させ、下ろす動作を左右順番に繰り返します。また、一側下肢を同様に挙上、下ろす動作を繰り返します。この時、代償として骨盤の回旋や腰椎の後弯が観察されることが多い為、代償動作に注意しながら実施する必要があります。

この四つ這いでの一側上肢、下肢挙上をダイアゴナルと呼びます。

次にダイアゴナルより難易度が高いバードドックを紹介します。これは、上肢と下肢がクロスに挙上できるように対側上下肢を上げていきます。この時もダイアゴナルと同様の代償動作が出現しゃすいため注意が必要です。

上記で紹介した多裂筋トレーニングですが、無理のない範囲で実施することが望まれます。

回数やインターバルを増やすなど自身で記録をとり、日々のトレーニングを進めていくことをおススメします。