筋膜性疼痛が起こっている場合にどの筋に?疼痛が生じているのかを鑑別することは重要となります。
脊柱起立筋は内側群と外側群に分けられるため、それぞれの作用と位置に注目しましょう。
〇外側群:最長筋、腸肋筋
➡最長筋は伸展、腸肋筋は伸展と回旋の作用が大きい
➡体幹伸展により圧縮ストレス、体幹屈曲により伸張ストレスを受ける
〇内側群:半棘筋、回旋筋、多裂筋
➡棘突起のすぐ外側に存在、底面には横突起、表層には胸腰筋膜が位置する
➡体幹伸展・回旋により圧縮ストレスを、体幹屈曲により伸張ストレスを受ける
【触診】
最長筋:棘突起から2横指外側に指を置きない外側に指をスライドすると筋腹が確認できる
腸肋筋:棘突起から約6㎝のところに位置、外側から指を棘突起に向かって移動させたときに腸肋筋の外側縁を触診できる
多裂筋:腰椎レベルでは棘突起と腸骨の間に指を置くと、多裂筋を触診できる
外側群は筋長が長く、多分節に渡って走行しているため、脊柱の大きな運動を可能にします。内側群は、椎弓に密着する形で分節的に付着するため、椎体間の安定性に貢献しています。
内側群が脊柱の安定性を提供することで、外側筋が実際の脊柱運動を可能にしています。しかし、持続的な不良姿勢や過負荷な使用は協調した固有背側筋の活動を阻害するため、臨床場面では内側群と外側群を判別することがやはり重要となるため、必ず評価は行うことが求められます。