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膝関節腫脹の評価法とは?

変形性膝関節症の症例で、水が溜まって抜いてもらったという症例がたくさん居ると思います。

水が溜まる、いわゆる関節水腫と表現されますが、膝関節の滑膜に炎症が生じると、滑膜炎自体の疼痛とともに滑液が過剰に産生されます。

滑液は関節内に貯留することになるため、膝関節水腫と呼ばれますが、関節水腫自体が関節内圧を高めます。この内圧上昇することにより、膝関節痛みが生じてきます。

膝関節水腫による疼痛がある症例では、痛みが出ないように膝関節軽度屈曲位を取り、伸展位を避けるように関節位置を無意識に動かしています。

疼痛をコントロールするためには、膝関節水腫があるのか、またどの方向に膝を動かすと痛いのかを適切に把握する必要があります。

徒手で確認する方法は、膝蓋跳動が有名です。

症例の膝関節を伸展位にし、関節包の後方を緊張させることで、膝関節後方に貯留した水腫は前方に移動し、膝蓋上包に溜まってきます。

検者は膝蓋上包部を軽く圧迫し、膝蓋骨の下に多くの水腫を集めます。加えて、膝蓋骨を関節内に向かって押すと、関節内水腫が膝蓋骨を押し返すため、膝蓋骨が飛び跳ねるような現象を確認することができます。

この膝蓋跳動が著明な場合は整形外科を受診し関節穿刺が必要となります。