頸椎、胸椎、腰椎の脊柱の機能として、垂直に立った頭部と体幹の重量を支えることです。そして、椎体と椎間関節で重量支持されていますが、椎間板も重要な役割を果たしています。
椎間板は、線維輪と呼ばれる膠原繊維の膜のなかに、髄核と呼ばれるゲル状の物質が入っています。髄核のゲル状の物質が、荷重に対して変形することで荷重応力を緩衝しています。
髄核の衝撃吸収機能が低下すると、代償として椎間関節にかかる負荷が大きくなり、関節症変化や反応性の骨増殖、関節包の肥厚・短縮のような変形が生じ、椎間関節由来の疼痛が出現する可能性があります。
頸椎の生理的前弯が低下すると、頭部は屈曲位となります。代償による、環椎後頭関節や環軸関節の伸展が増強していることがあります。頸部伸展に作用する筋は、後頭下筋群と呼ばれます。
頭部前方位となると本症例の疼痛は頸椎アライメントを調整する動的安定性機能の破綻が生じるため、板状筋の緊張や後頭下筋群の緊張が高まったために、頸部から頭部にかけ筋性のスパズムによる疼痛が出現することが多いです。
疼痛緩和を図るために、半棘筋や頸部内側筋群の安定化エクササイズを行うこと、板状筋や後頭下筋群のリラクゼーションを行うことで痛みが緩和することがあります。