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高齢者で「こむら返り」が起きやすい理由とは?

寒い季節になってきましたが、患者様から「寝る時にこむら返りがする」「ふくらはぎが痙攣して痛い」という声をよく聞きます。そして、患者様から『何でこむら返りが起こるの?』と質問されることが結構あります。

患者様との信頼関係を築いていく上で、納得できるような答えを毎回用意できることがベストです。こむら返りの原因について今日は解説しようと思います。

こむら返りが起こる人は若い人から高齢者まで幅広いです。特に50歳以上では約4割がこむら返りを経験したことがあるという報告があります。高齢者では筋肉の柔軟性の低下による血液循環不良同姿勢でいる時間が長いなど筋肉の緊張が高い状態が続くことでこむら返りが生じやすいと考えられています。

他の原因として、水分やミネラルが不足していると痙攣しやすい状態になります。高齢者ではトイレを気にして水分量が少なくなったり、コーヒーをよく飲む方は利尿作用により水分が不足しがちです。ミネラルとはナトリウムやカリウム、カルシウムなどを指し、不足すると筋肉への神経伝達がうまく機能しなくなってしまいます。

また、腰椎ヘルニアや脊柱管狭窄症などの腰椎疾患による神経症状がある方は、神経を通して筋肉の緊張が高くなることもあり痙攣が生じやすくなります。代謝性疾患である腎不全や糖尿病はイオンバランスが崩れるため、より痙攣しやすい状態であると言われています。

外来患者でこむら返りがよく起こる患者様には、水分補給を促したり、血液検査を経過で追って日々の変化を捉えていくことが大事です。また、ストレッチの指導や筋緊張の変化を伝えてあげることで自己効力感が上がり、運動への意欲向上に繋がるきっかけになります。

患者様から聞かれた際は、説明できるように知識の一つとして覚えておくと役立つと思います。