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筋緊張の低下、亢進が動作に与える影響とは?

脳卒中による片麻痺などを中心とした中枢神経疾患では、疾患の特徴として筋緊張の低下や亢進などの異常筋緊張を呈することが多いです。

この筋緊張状態が、日常生活動作に大きく影響を及ぼしてしまいます。

〇筋緊張低下している場合

下肢の筋緊張が低下した症例に立位訓練を実施する場合は、支持性が低下しているため、膝折れや自身の体重を支えきれずに連合反応などが出現し、正常な立位保持ができない状態となります。訓練では長下肢装具を着用して股関節周囲筋への荷重感覚入力を行うが、下肢の振り出しは困難となります。

〇筋緊張が亢進している場合

下肢の筋緊張が亢進した症例に立位訓練を実施する場合、伸筋の筋緊張が高い時は、低緊張と比較し支持性が高く、膝折れは観察されません。しかし、歩行や次の動作に移る場面で屈筋群への切り替えや動作の協調性に欠ける場合が多いです。

同様に屈筋群の緊張が亢進している場合は、立位保持が難しくなるため、セラピストが立位をとるために症例のどの部位に緊張が入っているのかを確認する必要があります。

MASなどの筋緊張検査は安静時、動作時の変化を捉えたうえで動作訓練を実施することが重要となります。

そして、症例の動作切り替え時の筋緊張変化を触診にて捉えることも必要となります。