大腿筋膜張筋の短縮はどのように評価すればよいのでしょうか。
実際臨床でよく使われる評価として、Ober testが有名だと思います。これは、腸脛靭帯の短縮を評価するテストであり、症例を即買いとして、上側の下肢を膝関節90°屈曲位のまま、股関節伸展位に保持します。
そして、股関節の内転を他動的に行い、膝関節の内側がベッドに接触しないと、大腿筋膜張筋(腸脛靭帯)の短縮があると判断されます。
Ober testは大腿筋膜張筋の短縮程度を評価していますが、骨盤前傾位で行った場合と骨盤後傾位で行った場合では結果が異なる場合があります。
テストの信頼性を得るには、骨盤後傾位でのOber testを用いることで、再現性のある評価が可能となります。
セラピストは側臥位において骨盤のニュートラルポジションから評価する前に骨盤後傾位へ誘導し実際に短縮があるかどうかを確認することが必ず必要となります。
また、評価自体が目的とならないよう、なんのための短縮評価なのか、立位場面で姿勢アライメント不良があり、大腿筋膜張筋の短縮があるのかなど仮説と評価のサイクルの中で、評価が手段としての一つであることを忘れてはいけないと思います。