問診は評価の中でも特に重要であります。
その目的としては症状の原因を予測すること、治療方法の決定や予後予測の助けとすることです。しかし、画像所見と症状とは完全に一致することは逆に少ないため、セラピストは注意が必要です。
問診の聴取内容について考察します。
患者のプロフィールについて聴取すべき項目を以下に挙げます。
・年齢、性別、職業、趣味活動、家族構成、家屋状況や介護保険の有無
これらを最低限聴取しておくことで、生活様式や負荷のかかりやすい部位を考察することができます。
しかし、これらの情報はカルテから得られることが可能です。なぜ実際に聴取する必要があるのでしょうか?
年齢や性別が予後や再発率に関係することがよくあります。高齢になればなるほど、悪性腫瘍や骨粗鬆症の可能性が高まったり、機械的刺激由来の疼痛の予後予測がしづらくなります。年齢のみでそれらを決定することは避けるべきですが、仮説を立てるのにヒントとなります。
また、職業や趣味活動を聴取する理由として、どのような動きや姿勢を多くとるかによって、ゴール設定や予後予測、受傷原因の予測を可能とするからです。また、自主トレや日常生活動作の指導を行うことで症状の増悪を予防できたり、疼痛緩和に繋がる可能性が高まります。
カルテ情報だけでは得られない日常生活動作や生活様式などのヒントが直接聴取することで得られるならば、問診という評価一つの重要性が再確認できたと思います。
問診の項目一つ一つの意味を確認しながら、患者のためにできることを選択して治療に臨んでいきましょう。