脊柱の運動は椎骨前面の動きの変化として捉えることができます。
例として、左への回旋をする場合は、椎骨前面である椎体が左へ回転することを意味します。
一方、体表から触診が可能である棘突起は、反対方向である右側へ回旋します。
脊柱の運動は、椎体を通る回転軸に関する面の中で起こります。
脊柱の運動学として、屈曲、伸展、側屈、および水平面の軸回旋があります。脊椎の運動は、椎骨間の比較的小さな動きが積み重なった、その総和で行われます。
上記の運動は、主に椎間関節面の向きによって自動的に決まります。
椎間関節は、上にある椎骨の下関節面と、下にある椎骨の上関節面とがなす関節です。脊柱の運動の方向や範囲は、主に椎間関節の向きが重要となります。
・椎骨は、骨の抵抗の少ない方向に自然に動きます。この抵抗とは、椎間関節面の向きによって決まるため、実際の運動学を理解しやすくなります。
軸椎であるC2の上関節面はほぼ水平面と同じ向きです。そのためC1ーC2関節である環軸関節は、水平面で最も自由に運動し、頭部を左右を十分に回旋することができます。
C2ーC7の椎間関節面は水平面から前額面へ45°傾きます。この関節面のアライメントは、水平面での大きな回旋と側屈を可能にします。