頭頸部は、環椎後頭関節、環軸関節、C2ーC7までの頸部の関節の3種類の関節の連結です。頭頸部は脊椎の運動の中で最も可動性が高いです。
頭頸部の最大伸展は85°であり、最大屈曲は45~50°です。
矢状面での運動(屈曲・伸展)における全体の25%は環椎後頭関節と環軸関節で生じ、残りはその他の領域であるC2ーC7で生じます。
環椎後頭関節は、屈曲・伸展の運動が行いやすいように構造上できており、後頭顆とそれに対応する環椎の上関節面は、揺り椅子のような形で適合します。
後頭顆は伸展時に後方に転がり、屈曲時には前方へ転がります。この関節の運動における転がりとすべりは反対方向に起こります。
環軸関節は主に水平面の運動である回旋が行いやすいようにできていますが、その他に伸展10°、屈曲5°が可能です。
C2-C7での屈曲と伸展は、弧の形を描くように動きますが、椎間関節が傾斜することによります。これらの関節は水平面および前額面に対して45°の傾きを持ちます。
伸展時には、上に位置する椎骨の下関節面が下に位置する椎骨に対して、後方および下方へ滑り、屈曲時には伸展時と逆の動きをします。