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結帯動作の肩関節運動とは?

結帯動作とは、背中をかく、エプロンを結ぶ動作の際に行う上肢の運動を指しています。

実際の肩関節運動として、肩関節伸展と内旋そして肩甲骨内旋と前傾が同時に行われます。

上記の運動学が起きていますが、関節運動の順序として肩甲上腕関節、そして肩甲胸郭関節の順に関節運動が起こります。

結帯動作において関節運動が正常におきているかを確認する必要があります。評価したい上肢の母指を脊柱のどのレベルまで触れることができるかを確認する方法が簡便です。

また、結帯動作時の代償動作として、肩甲胸郭関節が肩甲上腕関節の代償として働きます。肩甲帯の代償を抑えながら、肩甲上腕関節の動きを確認するには、肩甲骨下角から内側縁を徒手で抑え実際に結帯動作を行ってもらう方法が有効です。

肩甲上腕関節のみで尾骨まで触れることができれば肩関節伸展と内旋が正常に行われていると判断できます。

結滞動作に必要な肩関節伸展の制限因子は関節包前面の柔軟性低下や大・小胸筋、上腕二頭筋長頭腱の癒着・硬化、前鋸筋の硬化による肩甲骨前傾制限などが主なものです。また肩関節の内旋は関節包下部・後面の柔軟性が低下すると発生します。

肩関節は複合関節であるため、前面後面の筋肉が強調して働く必要があります。目的となる関節運動がなぜできないのか?原因はどの部位にあるのかを判断していくために、評価の選択肢と信憑性を高めていくことが求められます。