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椎間板変性による疼痛と評価とは?

椎間板は、髄核・繊維輪・脊椎終板から構成されます。

腰椎を屈曲させると、椎間板の前部には圧縮ストレスにより変形が生じ、後部には伸張ストレスが生じます。加えて、回旋力が加わると伸張ストレスは増加します。

椎間板後部への伸張ストレスが、繊維輪内の自由神経終末を刺激し、疼痛を生じることがあります。また、椎間板の繊維輪の後部は、前部や外側と比較し薄く弱い構造となっているため、腰椎屈曲による髄核の脱出が起こることがあります。これがいわゆる椎間板ヘルニアの状態となります。

~椎間板ヘルニアの疼痛誘発動作テスト~

・ラセーグテスト:

背臥位にて股関節中間位、膝関節伸展位で股関節を屈曲させます。70~90°以下での大腿後面~膝窩部に坐骨神経症状が生じると陽性となります。

これは、膝伸展位からの股関節屈曲を行うことで、L5神経根とS1神経根圧縮ストレスをかけることで、坐骨神経症状を出現させるテストになります。

・ブラガードテスト:

ラセーグテストと同様に検査を行い、坐骨神経症状が出現した股関節屈曲角度より5°下げて、足関節を背屈させます。この時、坐骨神経症状が増悪すると陽性となります。

ラセーグテストとブラガードテストがともに陽性の場合は椎間板ヘルニアを疑います。

椎間板ヘルニアの評価として、上記の2つが挙げられますが、ラセーグテストのみ評価しては、椎間関節症および椎間板ヘルニアとは判断できないため注意が必要となります。