仙腸関節由来の疼痛として、骨間仙腸靭帯および後仙腸靭帯への剪断ストレスが関節に微小なズレを生じさせることで、疼痛が発生すると考えられています。
仙腸関節周囲には機械受容器がたくさん存在し、部位として近位1/3ち中央1/3に集中し、そのほとんどが侵害受容器であると言われています。
仙腸関節への剪断ストレスが侵害受容器を刺激することで、疼痛を発生させると考えられていますが、明確なエビデンスや仙腸関節のどこが痛みを発生させるのかは謎が多い状態です。
~仙腸関節の疼痛誘発テスト~
・ゲンスレンテスト:
検査肢位として背臥位、被験者は健側下肢の膝を屈曲させ抱えます。検者は健側下肢である股関節を伸展させていきます。
仙腸関節部に痛みが生じれば陽性となります。これは、仙腸関節部に強制的な剪断ストレスをかけることで痛みを誘発させています。
合わせて、パトリックテストを行うと仙腸関節の痛みを明らかにすることができます。パトリックテストは、股関節痛を評価するもので、股関節の屈曲・外転・外旋位とし、膝内側を床面に向かって押すことで股関節痛みを誘発させます。
パトリックテストが陰性、ゲンスレンテストが陽性であれば仙腸関節痛を疑います。