肩甲骨運動アライメント、運動異常による肩関節痛は、肩甲骨を動かす主動作筋群と肩関節運動を抑制する拮抗筋群との適切な協調運動が損なわれることによって生じます。
つまり、肩関節運動時に必要となる肩甲骨運動を抑制する拮抗筋群の適度なリラクセーションをもたらし、肩甲骨運動を拡大するために主動作筋の収縮を高めていくことが重要となります。
肩甲骨異常運動に対しての目的として以下が挙げられます。
・拡大したい肩甲骨運動における拮抗筋群を弛緩させること
・目的とする肩甲骨運動の主動作筋の筋活動を高め、運動を拡大させること
肩甲骨周囲筋群のほとんどは深層および背面に存在するため、患者本人に各肩甲骨周囲筋を認識させることは難しいです。そのため、セラピストがその当該筋を触診することで、患者にそれらの筋を認識させる必要があります。
安静時状態でアプローチしたい筋肉を認識させたうえで、運動中のその筋を弛緩させられるように訓練していきます。運動は他動運動から開始し、自動介助、自動運動と進めていきます。