膝蓋骨トラッキングとは
通常の膝蓋骨は、内側・外側にも逸脱せずに顆間溝に沿って移動します。この軌道では、膝蓋骨と大腿骨との接触面積は最大であり、膝蓋大腿関節の圧迫は分散されるため、関節への負担は少なく済みます。
しかし、異常な軌道では、接触面積が少なくなるため、単位面積当たりの圧力が大きくなり、痛みや炎症を引き起こす可能性があります。
重篤な場合は、膝蓋骨の外側脱臼が起こりますが、トラッキングを引き起こす要因を特定しアプローチしていくことが臨床上重要となります。
膝蓋骨トラッキングの要因
トラッキングの要因として様々なものが存在しますが、要因と一つを紹介します。
股関節外旋筋や外転筋の筋力低下が要因として考えられます。
歩行や立位など下肢に体重をかける活動において、股関節外旋筋や外転筋の筋力低下を伴う症例は、大腿骨が内転・内旋位をとりやすくなり、運動連鎖から膝関節外反位が増強します。その結果、膝蓋骨は外側方向へ強制的に牽引されトラッキングを引き起こします。