脊柱アライメント
脊柱アライメントとして、頸部と腰部は矢状面で観察するとゆるやかな前弯を示し、わずかに伸展します。対照的に胸部と仙尾骨はゆるやかな後弯を示し、わずかに屈曲します。
胸部と仙骨部の前方への凹みは、胸郭や骨盤の中にある生命維持に重要な器官を納める部分となっています。
脊柱の弯曲は固定的ではなく、姿勢や動作に応じて、柔軟に適応します。体幹を伸展させると、頸部や腰部の前弯は増強しますが、胸椎の後弯が減少します。
対照的に前屈姿勢をとると、頸部、腰部の前弯は減少し、胸部後弯が増強します。
正常な脊柱彎曲とは
正常な脊柱彎曲は、軸性骨格全体に強度と安定性をもたらします。実際直線的な脊柱よりも、正常な弯曲を有する脊柱のほうが、より大きな垂直方向への圧縮力を支えることができます。
弯曲が保たれていれば、弯曲の凸側に沿って付着する結合組織や筋張力によって圧縮力を減弱させることができます。
脊柱彎曲の変性は、筋や関節の局所的な負担を生み、さらには肺が膨らむのに必要な胸腔の容量を減少させる可能性もあるため、姿勢観察は評価として必ず必要なものとなります。