足関節の背屈運動は前脛骨筋が作用することで行われることが知られています。
その他、第三腓骨筋、長趾伸筋、長母指伸筋が背屈に作用します。
足関節背屈MMT測定を実施すると、腓骨筋や長趾伸筋や長母指伸筋が代償として働き、正確な筋力を測定できない場合があります。
測定する際は、足趾が過剰に伸展していないか、外返しが過剰に起きていないかを確認した上で、検者が測定していく必要があります。
前脛骨筋は、起立着座時に下腿の傾斜を下腿三頭筋と協調的に活動し、動作を安定させる働きや、歩行時は足関節背屈位を保持、また底屈を制動する役割があり、動作において重要な役割を担っています。
足部の不安定性から、重心コントロール不良や膝や股関節周囲筋の過剰収縮を引き起こしてしまう可能性もあります。
加えて、足関節の背屈可動域も確保されているかが重要となります。
歩行においては背屈10度、走行では30度の可動域が必要とされているため、単なる筋出力低下のみにフォーカスしてしまわないように注意が必要です。