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スクリューホームムーブメント(SHM)とは?

私たちの膝関節を屈伸した時、脛骨の運動軌道は、矢状面に一致した運動ではありません。

膝関節は、屈曲に伴い下腿が内旋し、伸展とともに下腿が外旋していきます。この膝関節の屈伸に伴う下腿の回旋運動をスクリューホームムーブメントと呼んでいます。

なぜ、スクリューホームムーブメントが生じるのでしょうか?

大腿骨の長軸は、垂線に対して外側に傾斜しているため、脛骨関節面と適合するには、大腿骨外側顆に対して内側顆は一回り大きくなる必要があります。

膝関節の屈伸軸が外側上顆と内側上顆を結んだ線で規定されるため、一回り大きい内側顆の中心にある内側上顆の位置は外側上顆に対して上方かつ後方に位置しています。

この傾斜した屈伸軸で膝関節運動を行うと、屈曲とともに脛骨は大腿骨に対して内旋し、伸展とともに脛骨は外旋することとなるため、スクリューホームムーブメントが起こる要因となります。

また、症例により大腿骨内旋や脛骨外旋角度の違いが生じたり、パテラの滑走性や位置のずれから正常なスクリューホームムーブメントが起こるとは限らないのが現実です。

膝関節屈伸に伴う下腿の回旋動作をセラピスト側が評価し、正常な関節運動を促していく必要があります。症例の数を増やしていくと、膝関節運動とそれに伴う下腿の回旋量が評価できるようになるため、症例一人ひとりの関節運動を確認していくことが重要となります。