手関節であるPIP,DIP関節の伸展運動がMP関節の肢位によって作用する筋肉の変化を考察していきます。
PIP関節とDIP関節の伸展運動には総指伸筋と手内筋が関わっています。
総指伸筋は近位から基節骨に停止した後さらに中節骨へと腱を伸ばしている為、総指伸筋の収縮によるその筋腹がどれだけ縮んでも、基節骨に停止した腱が突っ張るまでの距離しか走行できないということです。
MP関節過伸展位でPIP関節とDIP関節を伸展させようとすると、随意的に総指伸筋は収縮します。しかし、基節骨に停止した腱が一定以上近位へ引き込まれることはないため、基節骨以遠の総指伸筋腱には筋の収縮力は伝達されず、その腱は弛緩したままということになります。
MP関節過伸展位におけるPIP関節とDIP関節の伸展運動には、総指伸筋は関与できないということになります。